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浜松発のオリジナルな「昇竜しだれ梅」でみんなを癒したい!

佐藤一敏さん

佐藤 一敏(さとう かずとし)さん 65歳

浜松市西区呉松町在住。
高校卒業以来、一貫して農業に勤しむ。
自らの楽しみで育ててきたしだれ梅が、集客できるようになり、「昇竜しだれ梅」園として観光農園化。
農業の経営を(有)佐藤農園として法人化し、地域の特産品であるガーベラの出荷をメインに、しだれ梅園やブルーベリー狩り園等の経営に取り組んでいる。(現在、法人の代表は息子さんに譲っている)

浜松市は、温暖な気候を生かして、様々な花の栽培が盛んな土地であり、市民活動として「花と緑のまちづくり」も進められるなど、自ら花や緑を育てて楽しむ愛好者の多い土地柄です。
このような本市にあって、浜松商工会議所の認定する「やらまいか浜松」ブランドにも認定され、今や浜名湖周辺の花の観光資源の一つとなってきた「昇竜しだれ梅」があります。これは、本市を代表する観光地である舘山寺地区周辺で、野菜や花などを栽培する傍ら、自らの楽しみのためしだれ梅を育ててきた篤農家である佐藤一敏さんの長年の汗の結晶です。それが、入場料としてお金をいただけるようなものになるとは、今でも信じられないような気持ちだと言います。
「昇竜しだれ梅」は、北区引佐町のレジャー施設「奥山高原」と西区呉松町で佐藤さん自らが経営する「佐藤農園」の2箇所で鑑賞することができます。「佐藤農園」はもちろんのこと「奥山高原」のしだれ梅も、佐藤さんが全面的に管理しているものです。現在のような観光資源となるまでの経過や今後の夢などを佐藤さんに語っていただきました。

■あくまで、自らの楽しみで始めたしだれ梅

農家の後継ぎだったので、農業高校を卒業し、ごく自然に就農、当時は、この地域の一般的な農家と同様に、野菜や花などの栽培が中心でした。当時は高度経済成長期で、きちんと休みがあって収入も安定している工場勤めなどのサラリーマンになった同級生が羨ましく見えたものでした。それに対抗するような気持ちもあって、農の道に進んだ者にしかできない楽しみとして始めたのが、しだれ梅でした。
たまたま近所に立派なしだれ梅の木を持っているお宅があり、それを接ぎ木して栽培を始めました。そして、自らの癒しの空間を作る目的で、浜松市と接する(当時)細江町内に120本ほどのしだれ梅を植えて育て始めたのが昭和40年過ぎくらいでしょうか。当時、梅はあくまでその“実”を収穫・出荷するための栽培はしていましたが、鑑賞用であるしだれ梅の栽培とは異なるものであり、まったくの素人でした。
それでも自分なりに試行錯誤を重ね、次第に今のような形態のしだれ梅に仕立てていく方向が固まっていきました。そして、そのしだれ梅も成長し、思惑どおり、多くのしだれ梅が咲き誇る、自分の癒しの空間が出来上がっていきました。

「昇竜しだれ梅」
「昇竜しだれ梅

■お金をとっても見学者が来て驚いた!

年々充実していったしだれ梅でしたが、その花を楽しみに行けるのは、開花時期であっても忙しい農作業の合間の限られた時間だけでした。そのため、自分でも知らないうちに、知る人ぞ知るしだれ梅の名所となっていたようで、見学に訪れる方がだんだん目に付くようになってきました。それが栽培を始めて20年ほど経った昭和60年頃だったでしょうか。素人が我流でやってきたものを人様が見に集まるなんて、信じられないような心境でした。そのうち、週末などは、見学者の車で周辺の方々に御迷惑をかけるほどの状況になってきました。
でも、周りに迷惑はかけてはいけないと思い、“お金を徴収するようにしたら、お金を払ってまで見に来る人はいないだろう”という考えに至り、やってみました。ところが、これまた予想に反し、お金を払っても見てくれる人が少なくなかったのです。それで、半信半疑のまま、しだれ梅園の経営するようになっていったのです。

咲き乱れる「昇竜しだれ梅」
咲き乱れる「昇竜しだれ梅」
 

その後、レジャー施設「奥山高原」(北区引佐町)から、園内に昇竜しだれ梅園を作りたいという話が舞い込み、佐藤さんもそのロケーションに納得し、2001年に80本の大木を移植、さらにその翌年に追加した若木200本も順調に成育し、流水庭園と満開のしだれ梅のコントラストは見事の一言。現在に至るまで、その剪定を含めた管理を任されている。
■「奥山高原」HP http://www.okuhamanako.com/okuyamakougen
 

一方、佐藤さんご自身も、舘山寺温泉から浜名湖を挟んだ対岸にある大草山の中腹にある「佐藤農園」で昇竜しだれ梅園を運営、こちらはしだれ梅の足元をクリスマスローズで飾ったり、しだれ梅のトンネルを作るなど、佐藤さん独自の演出で楽しませている。
佐藤農園については、駐車場のスペースが不足しており、立地上の制約から簡単に増やせないのが課題だと言うが、次男のほか若手従業員など後継者に恵まれ、剪定などの技術を伝承しているという。
■「佐藤農園」HP http://www4.tokai.or.jp/satonouenn//

「昇竜しだれ梅」について詳しくはこちら≫

その佐藤さんに、今描いている夢を聞いてみた。

■しだれ梅は中国との架け橋になれる! 

昇竜しだれ梅は、竜が天に昇るような形に仕立ててきた樹形の荒々しさと、長く枝垂れた枝についた梅の花のやさしさのコントラストが特徴ですが、この姿がどうも中国に通ずるものがあるようです。以前、香港からのお客さんが見学に訪れた際も、他のお客さんに邪魔になるくらい、長い時間じっと見つめ続けられました。
かつての日本からの侵略などの歴史があり、中国の方は、日本には必ずしも良い印象は持っていただいていないのではないかと思います。このしだれ梅が、良さを共感し合えるものとして、そうした過去の日中間の溝を埋めるのに役に立てるのではないか、と思っています。しだれ梅を通じて、日本と中国の交流、ふれ合いの架け橋になれることを期待しています。
この良さが中国で受け入れられ、中国でも昇竜しだれ梅園ができる日がくるのが夢ですね。そのために、私の技術がお役に立つなら、喜んで協力したいと思います。

しだれ梅のトンネル(2009年)
しだれ梅のトンネル(2009
 

自らを、夢を食って生きる獏みたいなもんだ、という佐藤さん。壮大な夢の実現する日が来る日を期待したい。

 

京都や鎌倉に負けない五山を目指して!―「浜名湖 湖北五山」―

関塚哲心さん

関塚 哲心(せきづか てっしん)さん 40歳

初山宝林寺住職。静岡市生まれ。16歳で出家。18歳から8年間、京都府宇治市にある黄檗宗大本山萬福寺で修行を積む。平成5年、かつて母方の祖父が住職をしていた宝林寺の住職に。以来、境内など同寺の整備を徐々に進めてきた。
並行して地域での観光振興等にも積極的に関わり、奥浜名湖観光連絡協議会の構成員として活動。今回、湖北五山連絡会の設立にあたっては、メンバー最年少ながら、五山のとりまとめ役として奔走。
「浜名湖湖北五山」について詳しくはこちら≫

浜名湖の北側エリアには、歴史と伝統ある古刹が数多く点在している。それらが保有する文化財建造物、名勝指定を受ける庭園、歴史ある仏像などにもより、それぞれの地域に個々に密着してその名前は親しみを持って知られていた。
数年前、小堀遠州作の庭園で有名な龍潭寺の声掛けにより、広く観光関係に携わる施設がまとまった「奥浜名湖観光連絡協議会」が組織され、「奥浜名湖みそまん物語」などの地域ブランド商品を開発するなど、精力的に地域おこしに尽力してきた。
このほど浜名湖観光圏に注目が集まる中、浜名湖の湖北にあって、国の重要文化財を保有する五つの寺がまとまり、「浜名湖 湖北五山」として絶対的なネームブランドの確立を目指し、浜名湖北側エリアのシンボルになる為の活動を開始。湖北とは言え広範囲に点在し、宗派や教義、歴史観などが異なる五つのお寺がまとまり、「湖北五山連絡会」としての活動にこぎつけた経過と今後の抱負を、事務局として汗をかいている初山宝林寺住職の関塚さんに語ってもらいました。

■「浜名湖 湖北五山」の名前が、ひとり歩きするように

“五山”と言えば、誰もが知っている鎌倉とか京都とかがありますし、琵琶湖では、湖東とか湖南の“三山”が有名ですよね。それらはもう一つのブランドとなっています。これらに並び称されるような、「浜名湖 湖北五山」となって、○○五山と言えば・・・の中に、皆さんの口をついて出てくるようになれば、と五山のメンバーで話しています。これまでは、個々のお寺の名前でPRをしていましたが、五山としてみんながスクラムを組めば、そのパワーはとても大きくなると思います。結果として、「湖北五山」として広く定着していき、この地域(奥浜名湖)の地域おこしのシンボルとなり、観光集客の増大に繋げていくことが、今回の連携の狙いです。押しも押されもせぬ存在となり、その名前がひとり歩きするくらいまでの高い知名度にまで押し上げていくことを目指したいと思っています。

湖北五山チラシ

 

■まずは、チラシ、看板の制作から

五山を構成する個々のお寺は、すべて国指定の重要文化財を保有しています。そして、それぞれの創建は、奈良時代から江戸時代にわたっていて、浜松市に合併した旧引佐郡の細江、引佐、三ヶ日の3町にバランス良く所在し、バラエティに富んだ構成です。まだ湖北五山としての動きを始める前に、その名前がテレビに出たりして慌てましたが、そのネーミングも良かったせいか、テレビの力は絶大で、大きな反響がありました。そして、「湖北五山連絡会」の立ち上げ後、まず、市のバックアップも受けて、チラシ、看板を制作、配布しました。各鉄道会社の協力も得て、各所でその名前を売り出しています。観光エージェント等から、ツアー商品化としての問い合わせなども入ってきており、連絡会としては、五山として統一のとれた対応をとっていくための勉強会などを行っています。また、五山以外の観光施設等で構成しているNPO法人「奥浜名湖観光まちづくりネット」が、活動をバックアップしてくれ、この12月には五山を巡るモニターツアーの実施も予定されています。

看板
設置した看板

 ■癒し・案内標識・銘菓も『湖北五山』

この湖北地域は、平成17年に浜松市に合併した地域ですので、まずは、旧浜松市を始めとする現在の浜松市民に、郷土の文化財として知ってもらうとともに、近くの“癒し”となってもらえれば、と思っています。観光面では、行政の協力が不可欠です。主要道路や交差点には湖北五山を示す案内標識の充実を図って頂きたいと思います。バス会社さんには、期間限定でも良いので、湖北五山めぐりの観光バスが運行してもらえるようになれば、と思っています。また、この地域は、湖北五山だけでなく、天竜浜名湖鉄道に沿って観光ポイントもありますので、それらを繋いだウォーキングとか、レンタサイクルなどで巡ってもらうということにも、これから取り組んでいきたいと思っています。湖北五山の名前がメジャーになって、それこそ名前がひとり歩きして、『湖北五山』の名を冠した銘菓が売り出されるようになればいいですね。

エリアマップ
エリアマップ

 

 

みかんの花の香りを生かし、三ヶ日をもっとメジャーに!!

外山徳彦(とやま とくひこ)さん 50歳

外山徳彦(とやま とくひこ)さん 50歳

全国ブランドである「三ヶ日みかん」の後継者として就農後、みかん作り一筋に打ち込み、産地の将来を担うリーダーとして、三ヶ日町認定農業者協議会の会長なども務めてきた。その傍ら、三ヶ日をもっと活性化させたいという熱い思いから、地域づくり活動を実践。「みかんの里まつり実行委員会」では、ウォーク部長として、春はみかんの開花に合わせ、秋はみかんの収穫を前に開催するウォークイベントを企画、運営。4年目となる今年、「三ヶ日フレグランス・ウォーク」として、その開催準備に奔走。

「三ヶ日フレグランス・ウォーク」
詳しくは
こちらHPをご覧ください。

みかん産地として知名度とブランドを確立している三ヶ日。しかし、それはまだ伸びる余地があるとの思いから、自ら企画したウォークイベントを鍵に、三ヶ日みかんを、食べるだけでなく、見て、そして香りも楽しんでもらうなどして、三ヶ日を売り出そうとしている外山さん。その立ち上げの思いからその後の奮闘、やりながら感じる手応えや将来展望までを語ってもらいました。

 

■三ヶ日を、三ヶ日みかんをもっともっと知って欲しい

三ヶ日毎年5月上旬になると、みかんの花が一斉に咲いて、三ヶ日の町内は甘い香りに包まれるんだけど、地元の人は当たり前になっていて、極端に言うと何とも思ってない。

地元の人も気がついて欲しいし、この素晴らしさをもっと町外の人にも知らせたいと思ってた。それに加えて、みかんのお陰で「三ヶ日」という地名も、けっこう有名だと思っていたんだけど、実はまだまだ知らない人が多いようにも感じる。「三ヶ日みかん」のことを「さんがにちみかん」て読んじゃう人もいるっていう嘘みたいな話もあるし。

とにかく、三ヶ日には、何処にも負けないみかんがあり、でもそれだけでなく他にもたくさんいいところがある素晴らしい町だから、それを生かして三ヶ日をもっと売り出していきたいね。

 

■歩くだけじゃなくて、みかんの花の香りを楽しみにきてもらいたい

三ヶ日とみかんを知ってもらうには、やっぱりまずここに来てもらうのが一番ってことで、ウォークイベントを始めてみた。

最初は三ヶ日町が浜松市に合併した翌年だったこともあって、行政からの支援もあったんだけど、翌年からはそれもなくなり、いろんな意味でほとんど自力でやってきた。実際に外の人に来てもらうのは大変なことで、それでも毎年500人くらいは参加してくれてるけど、もっと多くの人が集まるイベントに育てたい。

そのために何か特徴を出したいと思って、今年はみかんの花の「香り」を前面に出して、名前も「三ヶ日フレグランス・ウォーク」にしてみた。「香り」も楽しめるウォークイベントって、他にはなかなかないでしょ。香りは紫外線に分解されて昼間は弱まっちゃうから、香りを強く感じられる夜間ウォークっていうのを今年は初めて企画してみたんだ。

それに、香りなら目の不自由な方でも感じられるから、今年は視覚障害のある方を招待することにしてみた。今年のイベントは楽しみにしてもらいたいね。

みかんの花を見ながらのウォーキング風景
みかんの花を見ながらのウォーキング風景

 

■浜名湖の周りをウォーキングのメッカにしたいね

こんな感じで頑張ってるといろんなところで広がりも出てきてね。今年は、町内の業種の垣根を越えた若い世代でつくる「SM@Pe(スマッペ)」って組織ができて、三ヶ日を活性化していく仲間も増えてきたんだ。

今回のウォークイベントにもこの仲間がいろいろ協力してくれる予定なんだよ。これからも、仲間と協力し合って三ヶ日の情報をどんどん発信していきたいね。

それに将来的には、ウォークイベントで町外の方ともネットワークできたらいいと思ってる。浜名湖の周りには、景色が素晴らしくてウォーキングに適したところがたくさんあるから、そういうコースを組織化して「環浜名湖ウォーキング協会」なんて組織も作っていけたらいいんじゃないかな。

歩くのってお金もかからないし、健康にも良いから、好きな人をどんどん増やしてウォーキングのメッカにしたいね。

みかんの花の向こうに広がる浜名湖
みかんの花の向こうに広がる浜名湖

 

 

 

 

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